7年先も、キミを想って。
「日和が良いって言って曲。あれから帰って、ずっと聴いてる。」
なぜか頬を赤らめ、目を逸らしながらそう言ってくれた。
気に入ってくれてたんだ。良かった。
本番5分前、この曲を聴いて、今までの緊張がほぐれ、肩の力がスーッと抜けていった気がした。
曲を聴き終え本番1分前、私達は舞台へ立ち、後は幕が上がるのを待つだけ。
「日和ちゃん、絶対成功させようね!」
「うん!」
そう香穂が言い、幕が上がるブザーが鳴った。
ゆっくりと幕が上がり、予想以上のお客さんを前に香穂が一歩踏みし、震えた唇を開いた。
「こんにちは!私はボーカルの藤宮香穂です!まずは、私達の仲間を紹介します!」
「キーボードの東城日和です」
「ギターであり、このバンドのリーダーでもある、園裕太です」
「同じくギターの水澤汐里っす!」
「ベースよ高谷輝です!」
「ドラムの、小野星夜……です…」
「皆さん、今日はわたし達のためにお集まりいただき、ありがとうございます!今から演奏する3曲は、私達が何日も何日も練習を積み重ねてきた曲です。聴いてください。『bestfriend』」