**青空ドロップ**~君が落としたラブレター〜


桜ちゃんが言ってることは本音だと思うけれど

桜ちゃん…

本気でしぃのこと好きだったんだと思う



"青山くんよりいい男はたくさんいるし"

そう言った時、彼女は私から目を逸らした

斜め下の地面を見つめて

バレないようにと

私と目を合わせなかったんだ



それに、

夏祭りのあの日

桜ちゃんはすごくキラキラしてて

普段もすっごく可愛いのに

そのキラキラオーラでさらに可愛かった

恋すると可愛くなるっていうけど

それは本当のことなんだって

その時気づいたんだ



「私、別に陽向ちゃんのこと嫌いじゃないから!むしろ好き!なんか二人とも焦れったいから背中押してあげたくなるよ!」


「え、ええ?」



さっきから桜ちゃんの本音?がぶちまけられて

混乱してるんだけど…でも



「これからも友達!以上!早くしないと遅刻だよ~」



桜ちゃんは…

嵐が吹き荒れる春みたいだね


言いたいことをばーっと言って

用が済んだらぱぱっと消えてしまう

でもその背中は小さくて儚くて

誰が守ってあげないといけないような気がした



きっと桜ちゃんにも

淡いピンク色の

私たちとは違う色の春が訪れるよ______



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