**青空ドロップ**~君が落としたラブレター〜


高校の夏休みって大して長くなくて

課外があったり

三者面談があったりで

なんだかんだあっという間に過ぎてしまう


夏休みは毎週水曜日に

学校の図書室でしぃと勉強することになってる

まだ2年生だけど

私の今の成績じゃ到底無理な進路だし

先生にストップかけられるのも目に見えてるから。




「ここに2を代入して…」

「ねえ、その2ってどこからきたの?」

「だからさあ…この公式覚えて」



こんなの何回目だろう?

"公式"っていうものがさっぱり理解できなくて

理解できないから覚えられない



「高1からやり直した方が良さそうだね」

「お願いいたします…」



頑張っても頑張っても

数字が脳内で暴れて落ち着いてくれない

整理しようとするんだけど

ぴょんって数字が消えそうになって

そしてどこからか違う数字がやってきたり…


数学って…謎だ



「これ解けたら休憩しよ。渡したい物あるし」



頭を抱えていると

それを見てなのか

しぃはふっと笑った


なんだかしぃの笑顔を見ると

ほっとするっていうか落ち着く

分からなさすぎてちょっとイライラしてたけど

それがスッて消えちゃった



< 114 / 251 >

この作品をシェア

pagetop