**青空ドロップ**~君が落としたラブレター〜


そう言われてどれくらいたったかな

机に伏せてた携帯を見ると

約10分以上は過ぎていた。

たった一問解くのに10分…致命的すぎる

でもしぃだったら

こんなのすらすら~って解けちゃうんだろうな



「一応できました…」


ノートを目の前に差し出してみるけれど

しぃは向かい側の席に座っていて

数学の参考書とにらめっこしている。

前から思ってたんだけど

男の人の伏せ目ってかっこいいよね…。

きゅんってするし、

なんかずっと見ていたくなる



「ああ…ごめん。見せて」



私の視線に気づいたのか

しぃは

ぱっと顔をあげて私のノートを受け取った

そして自分のノートと見比べてから



「ん。合格」


そう言って、

ノートの隅に何かを書いたらしかった

小さく書かれたその文字は

"よくできました"



「なんか小学生みたいじゃん」

「なら消そうか?」

「それはいや!」



自然と笑顔がこぼれた。

大嫌いな数学のノートが

大好きなノートに変わっちゃいそう。

私としぃしか知らない秘密のノート

まるで小さな交換日記みたいだ。



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