**青空ドロップ**~君が落としたラブレター〜


「わかった!じゃあまたね」


"ねえもっと一緒にいたいよ"

そんな欲張りはぐっと胸の奥底にしまって

私は…笑った


「暗いから気をつけなよ?」


そうやって心配してくれるから…

時雨はずるいよね


なんでかな

最近ふっと考えるの


時雨と私の間には

これ以上踏み込んじゃいけないような

そんな一線が引かれてる気がするの


"どうしたの?"

"何があったの?"

って聞いちゃいけない気がして。


たとえ聞いたとしても

時雨はきっと言う


"何もないよ"って。


だから私が、

"なんの用事?"って聞いても

"たいしたことじゃないよ"って交わされちゃう


崩れるくらいなら

踏み込まない方がいい

時雨が"いいよ"って言ってくれるまで

私はこの場から動かない方がきっといい



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