**青空ドロップ**~君が落としたラブレター〜


「こっち」


右手を後ろに引かれて

人混みの中から引っ張りだされる

顔をあげるとそこにはやっぱり彼がいた



「しぃ…何やってんの?用事は?」



彼は額に汗を浮かべてて

息を切らしている

"やっと捕まえた"なんて言って

勝手に一人でほっとしてるみたい


何をこんなに急いでたの?

用事はどうしたの?

私は未だにこの状況がうまく理解できてない



「用事なら済ませてきた。ほら。」


しぃはそう言って笑みを浮かべると

私の右手をすくって

手のひらにぽんっと白い小さな箱を置いた

ピンクのリボンで結ばれてて

すごく可愛い



「開けて?」



私が戸惑っていると

しぃはそう言って私の目をじっと見つめる


私はそっとそのリボンをほどいて

ゆっくり箱を開ける


開けると

目に入った小さな可愛いアクセサリー

開けた瞬間、涙が溢れそうになった

胸がきゅってなって

まるで少女漫画を読んでるときみたいな

そんな感覚______




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