**青空ドロップ**~君が落としたラブレター〜


世界って

どうしてこうも理不尽なの


「ひなた」


本日三回目の"ひなた"は

君だった


一回目は楽しそうなあなたの声

二回目は愛しくて、でも聞きたくない彼の声

そして三回目は

私を見つけたあなたの声



「あはは、携帯落としちゃって」


なんて言って

いかにも携帯を拾ったフリをして

重い体を地面から引き剥がす

でも、走り疲れたせいか

それとも泣きつかれたせいか

体に力は入らなくて

宙に浮いてるみたいにふわふわしてて


「ごめん…最近貧血気味でさ」


気づいた時には

その体は風斗に支えられていて

"あの日"のように

私は風斗の腕の中にいる



「ちゃんと食ってんの?」

「食べてるんだけどなあ…」



風斗の腕の中はいつでもほっこり暖かくて

さっきまで寒くて凍えそうだったのに

今あなたが

また私の柔らかいところに触れるから______


< 165 / 251 >

この作品をシェア

pagetop