**青空ドロップ**~君が落としたラブレター〜
世界って
どうしてこうも理不尽なの
「ひなた」
本日三回目の"ひなた"は
君だった
一回目は楽しそうなあなたの声
二回目は愛しくて、でも聞きたくない彼の声
そして三回目は
私を見つけたあなたの声
「あはは、携帯落としちゃって」
なんて言って
いかにも携帯を拾ったフリをして
重い体を地面から引き剥がす
でも、走り疲れたせいか
それとも泣きつかれたせいか
体に力は入らなくて
宙に浮いてるみたいにふわふわしてて
「ごめん…最近貧血気味でさ」
気づいた時には
その体は風斗に支えられていて
"あの日"のように
私は風斗の腕の中にいる
「ちゃんと食ってんの?」
「食べてるんだけどなあ…」
風斗の腕の中はいつでもほっこり暖かくて
さっきまで寒くて凍えそうだったのに
今あなたが
また私の柔らかいところに触れるから______