**青空ドロップ**~君が落としたラブレター〜
「何…!?」
振り返るとそこには息を切らしてる風斗がいた
私は雨に濡れながら立ちすくんだ
寒さは感じなかったけれど
頬に伝った涙が雨で流されてるのは理解できる
誤魔化せてるかな?
息を整えてる風斗の言葉を待った
「泣くな!」
ぴしゃりとそう言い放った
「え?」
"泣くな"
そう風斗は確かに言った
また、バレてた
隠せてると思っていても風斗にはお見通し
隠すことなんてできないんだ
でも普通は泣きたいときは泣けよとか
そんなかっこいいこと言うんじゃないの?
けど私は
次の言葉が聞こえてないだけだったんだ
「俺はお前の涙、拭ってやれねえんだから」
「え?なんて?」
タイミングよく雨はさらに強まって
風斗の声は雨と一緒に流れてしまった
そう
私の涙も雨と一緒に流れてゆく
もう頬に伝わる雫は雨なのか涙なのか
よく分からない
冷たい雫が私を濡らす