**青空ドロップ**~君が落としたラブレター〜
ドクリと心臓が動く
この雰囲気の原因は私か
それともしぃか
「しぃがどうしたの?」
それは突然の出来事で
「青山くん、転校したって」
「は…?」
その言葉に
私よりも早く風斗が声を漏らした
私は何も考えれなかった
だって、しぃ、何も言ってない
確かにあの日"またね"とは言ってない
でも、転校するなんて一言も聞いてないよ
しぃはずるいよね
私を好きなだけ振り回して
そして最後には置いていっちゃうんだもん
新学期になったら当たり前のようにしぃがいて
また普通に話せるんじゃないかって
そう思ってたけど
それ以前の話になってしまった
しぃが、いない
その事実は
ぽっかり空いた教室の
一番後ろの席が物語っていた
しぃのシューズや教科書が入っていたロッカーも
空っぽで
最初から、しぃなんていなかったみたいな
そんな雰囲気が流れてる
「なんで、」
そう思うけど涙は流れなかった
これで、良かったのかもしれない
そう開き直るようになってしまった
しぃがいないことで私は吹っ切れるかもしれないから
前に進むためにしぃが一歩引いてくれたような
そんな気がしてきた