**青空ドロップ**~君が落としたラブレター〜
そして風斗はリュックから
自分の青いタオルを取り出して
私の頭に押し付けた
ピンクの、ストライプの傘と一緒に。
「濡らして悪かったな」
「いいよ、汗流せたし」
笑って見せると
風斗は少し寂しそうな顔をして笑う
どうして寂しそうなの?
なんて、思ったけど聞けなかった
だって聞いて欲しくなさそうだったから
これ以上触れるなって言われてるみたいだったから
「傘ないの?一緒に帰ろ…」
「またな!風邪引くなよ!」
私の言葉を最後まで聞かず
走り去っていくその背中が大きく見えた
風斗はいつだってそう
自分勝手で強引で
人の話は最後まで聞かなくて…
でも友達の異変にすぐ気づくような
友達思いの優しい奴
風斗は昔から変わらないね
だんだん小さくなって消えていく彼の背中
それがすごく大きく見えて
風斗と過ごした時間を思い出す
風斗は私が辛い時、何かとそばにいてくれる
一番に気づいて、
私を笑わせてくれるんだ
泣いてると怒られるから私も笑う
そしたら嫌なこと、少しだけ忘れられるんだ