**青空ドロップ**~君が落としたラブレター〜
高校に入って3度目の春がやってきた
クラス替えが行われて
何の奇跡が起こったのか
神様が私たちを選んでくれたのか
よく分からないけれど私達は幸せだった
「嬉しいね!嬉しいね!」
壁に張り出されたクラス発表
それを一目散に見に行った桜ちゃんは
ぴょんぴょん飛び跳ねて幸せそう
私も彼女の反応につられて思わず頬が緩む
「俺も一緒」
ぽんっと頭に置かれた手の持ち主は風斗で
どうやら私、桜ちゃん、風斗は
見事同じクラスになれたらしかった
新しいクラスで友達作れるか不安だったけど
その不安はすぐに消えて
その代わりに安心と喜びで胸が一杯になった
中庭に見える桜の木を見ると
時間の流れの速さを改めて感じる
1年生の今頃
私はこの高校に入学してしぃと出会って
あなたの恋をして______
「ひなたちゃん行くよ〜」
「うん」
ひなたちゃんの隣に並んで歩く
すれ違う真新しい制服に
懐かしい気持ちが溢れ出した
「一年生若いね~」
「もう私たちもおばちゃんだね」
まだ私達も十分若いはずなのに
一年生を見ると自分も歳をとったんだな
なんて思っちゃう
まだ洗濯されてないシワ一つない制服に
まだぴかぴかのスリッパ
私たちと比べるとちょっと長めのスカートに
まだ遠慮しがちの髪色や髪型
全てがピカピカで眩しく見えた