**青空ドロップ**~君が落としたラブレター〜
「びっくりしたでしょ?」
しぃはまた窓の外を見て
降り出しそうな雨雲を眺めた
私はベッドの横に置かれた椅子に座って
この場を理解しようと必死に頭を働かせる
「うん、急に転校したって聞いたし」
「隠しててごめん」
怒ってるつもりはない
怒ってはないんだけど
窓ガラスに反射している私の表情は
曇ってて今にも泣き出しそう
「風斗とは上手くいってる?」
胸がズキンズキンと痛む
しぃの口からそんな言葉が出るなんて思ってなかった
ていうか私たちのこと知ってたんだ
それが少し苦しい
「ねえ、聞いていい?」
私は知りたいよ
あなたのこと
「いいよ」
もう逃げたくないよ
あなたから
「どうしてしぃは、ここにいるの?」
震える声を必死に抑えて
絞り出すように口に出した
胸が破裂しそうで痛い、苦しい
けど聞かなきゃ私はこの場を理解出来ない
風斗からじゃなくて
直接しぃから本当のことを聞きたかった