**青空ドロップ**~君が落としたラブレター〜


私のわがままがたくさんの人を苦しめる

そんなの分かってる

だけど後悔だけはしたくない


「俺は…もう好きじゃないよ」

「嘘」

「嘘じゃない」


しぃは嘘つき

私が捕まえないと今度こそしぃは

どこか遠くへ消えてしまう

だからもう逃がさないよ


「だって…それ」


しぃの嘘を見破る証拠を見つけたの

ベッドの横に置かれた花瓶と一緒に置かれた

青色の写真立て

私としぃの、写真



「…バレた?」

「バレバレすぎるよ」


しぃは、私を待ってくれてた?

私は、1度、あなたから目をそらした

あなたから逃げた

あなたを忘れたくて

しぃの存在を"思い出"にしようとしてた

忘れるはずなんてないのに

忘れられるはずなんてないのに


「しぃは、私のこと好き?」


雨音が少しずつ静かになる



「強がりなんて分かってたんだけど、本当にごめん。勝手に置いて行って。たくさん傷つけたね。」



確かあの日も雨が降っていた

寒い冬の夜に雨が地に降り注いで

私の頬にも大粒の雨が流れた



「許さない。知らない女の人とキスしてて…しかもそれ見せつけて。私がどんな思いで…」

「ごめん」


あの日のキスは今でも忘れない

探していた愛しい人が

他の誰かと熱いキスをしてて

しかもその直後に私はふられた。

苦しくて苦しくて胸が張り裂けそうだった


でも…そんな顔で謝られると許したくなる

しぃはやっぱりずるいね

突然消えて突然現れて

そんな悲しい笑顔で笑って。

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