**青空ドロップ**~君が落としたラブレター〜
ドロップタイム
雨が降っても
風が強くても
ちょっと体調が悪くても
私は毎日毎日、彼のいる場所へ通い続けた
学校が終わったら真っ先にバス停へ向かい、
そのバスに20分揺られて彼の元へ
たまに風斗と桜ちゃんも一緒に顔を出しに行った
「しぃ」
空いたドアをノックして名前を呼ぶと
しぃは嬉しそうにこちらに顔を向けて笑ってくれる
私が来るのを毎日待っててくれて
子供が保育園のお迎えを待ってる時みたいに笑ってくれる
その笑顔が、私は大好きだった
たまにお昼寝してる時は
静かにしぃの名前を呼んで
髪を撫でて静かに眠るしぃの寝顔を見るの
そんなゆっくり流れる時間も大好きだった
「今日ね、進路決めてきたよ」
春ももうすぐ終わって夏が近づいてくる
あと数週間もすればセミが鳴き出しそう
透き通った空に手をかざして
すぐ近くにある太陽を掴みたくなる
そんな季節がやってくる