**青空ドロップ**~君が落としたラブレター〜


放課後は、

私としぃの勉強タイムとなった

案の定しぃは吸収が早くて

私が教えたことなんかすぐ理解しちゃう

私が帰った後も演習問題解いたりして

頑張り屋さんなしぃはあっという間に



「ここわかんない!」

「だからね、この公式を使って…」



私の知識を追い越した

数学が好きなしぃはどんどん先へ進んで

逆に私が教えられる立場になってしまった

こんなはずじゃなかったのに…

誰かに勉強を教えるなんて優越感はほんの一瞬

私の先生タイムも一瞬のこと


「ごめんね、私が教えなきゃいけないのに」

「ううん。俺が数学好きなだけ。ほら、教え合ってなんぼでしょ?英語苦手だから教えてよ」



にこって微笑むしぃの笑顔が大好き

その笑顔を見るとほっとするんだ


「…ね!天気いいし、気分転換にお散歩しない?」

「そうだね」


お散歩っていっても敷地内から出れないから

屋上か中庭くらいしか行けないんだけど

雲一つない青空と

透き通った空気をしぃと感じたかった

私の好きなものを共有したかった

勉強も大切だけれど

時間の一つ一つを大切にしたい



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