**青空ドロップ**~君が落としたラブレター〜
全く日に当たらないしぃの肌は
真っ白で雪みたいだった
毎日日焼け止めを塗ってる私なんかよりも。
きゅっと掴んだしぃの左手は
細すぎて折れそうだった
私はそんな手を優しく握る
以前よりも痩せてしまったしぃ
それが少し悲しく感じるんだ
「無理してない?」
屋上で二人で寝転がって
遥か遠くにある空に手を伸ばす
近くにあるように見えるのに実際は遠くて
掴みたくても掴めない空
空にふわふわと浮かぶ雲さえ捕まえれない
「私はしぃに会えて嬉しいの。だから全然無理なんかしてないよ。」
自分のことより他人のこと
それがしぃだった
私はしぃといれればそれでいい
他に特別なものは何もいらないの
あなたの笑顔を隣で見れれば十分
でもね、
心のどこかでその笑顔を独占したいって
そう思っちゃの
「ひなたは、太陽だね」
雨のように笑う彼は私が太陽だと言う
「ねえ、ひとつ聞いていい?」
ずっと疑問に思っていたこと
それを今ちょっと聞いてみたくなったんだ
しぃは静かに頷いて
「しぃはどうして雨が好きなの?」