**青空ドロップ**~君が落としたラブレター〜


真っ青な空の下でそんな質問をした

すると少し考えて

私と同じように太陽に手を伸ばしながら



「雨の日ってさ…外に出れなくて室内で遊ぶでしょ?俺、心臓が弱いせいで小さい頃から走ったりできなくていつも部屋の中で、一人で遊んでたんだ。」


「でも雨の日だけは違う。外に出れないからみんな室内で遊ぶんだ。1人じゃなくて、みんなと遊べる。それが嬉しくって。だから俺は雨が好きなんだ。」



雨は、しぃの心を満たしてくれる

いつも一人ぼっちなしぃに希望を与えたくれた

雨は時に人を幸せにする

雨は時に恵の雨となる

それを私は改めて感じた


「私もね、雨、嫌いじゃないよ」


だってね


「しぃの笑顔が見れるから」


雨が降り始めるとしぃは少し笑うんだ

"ああ、降ってきた"って

ちょっとだけ、嬉しそうに。


それからたくさん雨の話をした

雨が地面に降り注ぐ音

雨が傘にぶつかる音が心地よいこと

雨にも色々名前があるということ


しぃの名前の"時雨"は

秋から冬にかけて一時的に降ったり止んだりする雨のこと

まるでしぃのことを言ってるみたいだ

気まぐれなんだ、"時雨"は

でもそんな気まぐれ、私は嫌いじゃない

だってしぃだから

雨はしぃだから

そう思えば雨だって大好きになれちゃうんだ

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