**青空ドロップ**~君が落としたラブレター〜


「まだ約束叶えてないじゃん!一緒の大学行くって行ったじゃん!もう嘘つかないでよ!」


無機質な機械音がやけに耳に響いて

それが耳障りで仕方がなかった

先生達は叫ぶ私を止めることはせず

ただただ応急処置を進めていた


ほら、先生達も頑張ってるじゃん

しぃの命を繋ごうと頑張ってる

ねえ、しぃ

あと少し、あと少し頑張ってよ

あなたの背中には私がいるから

もう1人じゃないから

早く私のいる世界に帰ってきてよ



それからどれくらい時間がたったのか

私自身よく分からない

けれど気づいた時には空は真っ黒だった

雨はまだ降り続けている

止む気配もなくただひたすらに。


でもその時、先生の手の動きが止まった



「もう大丈夫ですよ」



その言葉が聞きたかった

ずっとずっと"大丈夫"が聞きたかった

心に縛られていたロープが解けるように

安心と、どっと疲労がやってきた

まだ機械音はなり続けているものの

たくさんの管が彼の命を繋いで

先生達が一生懸命繋いでくれた



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