**青空ドロップ**~君が落としたラブレター〜
「青山くんはすごいですよ。何度も体調崩したのによく頑張ってます。しばらくは安定すると思いますよ」
そう言って担当の先生は優しく微笑んだ
しぃは間違いなく頑張っている
生きようと精一杯頑張っている
だけど、その次に続く先生の言葉は
決していいことではなかった
「ただ…センター試験を受けるのは厳しいと思います。いつ倒れるか分からない彼を外に出すのは許可できません。」
しぃとの約束が一つ崩れようとしている
まだ眠っているしぃの隣で
私と先生は未来の話をした
お願いだからもう少し眠っていて
まだ起きないで
「ドナーはまだ見つからないんですか?」
「今のところ彼に移植を提供するドナーは見つかっていません。それがいつ見つかるのか私たちにも分かりません。ただ…」
ただ?
唾を飲む音が喉でゴクリと鳴った
「ドナーが見つかるまで彼はもたないかもしれません。現に、ドナーを待ち続けて亡くなった方もたくさんいらっしゃいます。」
しぃは…生きれない?
間に合わない?
頭がハンマーで殴られたみたいに朦朧として
頭が真っ白になった
何も考えられなくてただ必死に
「移植以外に他に方法はないんですか!?」
彼が生きるための方法を探した
だけど先生が首を縦に振ることは無かった