**青空ドロップ**~君が落としたラブレター〜


しぃの病気は不治の病と言われていた

医療が発達したこの現代でさえ

手術は難しいと言われている

手術を受けたとしても成功する確率は低い

心臓移植を待った方が生きれるかもしれない


だけどしぃには時間がなかった

タイムリミットが刻刻と迫っている

時間は止まることなく残酷に

ただ確実に進んでいく



「しぃ、おはよ」



しぃが目覚めたのは次の日の朝だった

私は学校を休んでしぃの隣にいる

今はずっと彼の隣にいたかった


まだ起きたばかりの彼は

意識がはっきりとしていないのか

ゆっくり瞬きを繰り返している

そしてあるものに気づいた


「これは…?」


私があげたお守りだった

2人のために買ったのに、

今は買わなきゃ良かったなんて後悔してる

もうこんなの必要なくなってしまった



「合格祈願!でもね、先生が試験会場に行くのダメだって。外に出すのは許可できないって。」



張り裂けそうな胸を抑えながら

声を必死に絞り出した

そう言うとしぃは少し寂しそうに笑って



「そ、っか…ひなた、頑張れ」


そう言ってくれた

本当はしぃと一緒に行きたかった

でも今は

彼が生きることが優先だった

例え一緒に通えなくても

しぃが生きてさえいてくれればそれでいい


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