**青空ドロップ**~君が落としたラブレター〜
私はそれを見逃さなかった
しぃのお母さんの涙はあまりにも綺麗で
ハンカチを差し出すと
「ありがとう。あの子ね、ひなたちゃんが来てから変わったのよ。よく笑うようになったわ。私は仕事があるから朝しか来れないけど、ひなたちゃんの話をしてくれたの。」
「私の話…?」
「そうよ?ひなたちゃんはよく笑う子だって。その笑顔を見ると釣られて笑っちゃうんだって。私ね、ずっとあなたに会いたかったのよ。」
微笑むしぃのお母さんは
やっぱりしぃに似ていると思った
しぃはきっとお母さんに似たんだね
優しそうな落ち着く声の持ち主
ずっとしぃのお母さんってどんな人だろうって思ってた
しぃに聞いたことはあったけど
お父さんがいなくて1人で働いてるから忙しいって。
でも毎朝かかさず会いに来てくれて
大切なお母さんだって
しぃはお母さん想いの優しい子だ
「想像通りだったわ。ひなたちゃん、これからもあの子のそばにいてやって。あの子、本当にひなたちゃんのこと好きだから」
「ずっとそばにいます。しぃと約束したから。私も、時雨のこと心から愛してます」
"愛してる"なんて照れくさいけど
言葉ほど素直なものはない
言葉にして心はやっと伝わるんだ
文字じゃ伝わらないことがたくさんある
だから私は言葉にして言うよ
"あなたが好き"