**青空ドロップ**~君が落としたラブレター〜


私はそれを見逃さなかった

しぃのお母さんの涙はあまりにも綺麗で

ハンカチを差し出すと



「ありがとう。あの子ね、ひなたちゃんが来てから変わったのよ。よく笑うようになったわ。私は仕事があるから朝しか来れないけど、ひなたちゃんの話をしてくれたの。」


「私の話…?」


「そうよ?ひなたちゃんはよく笑う子だって。その笑顔を見ると釣られて笑っちゃうんだって。私ね、ずっとあなたに会いたかったのよ。」



微笑むしぃのお母さんは

やっぱりしぃに似ていると思った

しぃはきっとお母さんに似たんだね

優しそうな落ち着く声の持ち主


ずっとしぃのお母さんってどんな人だろうって思ってた

しぃに聞いたことはあったけど

お父さんがいなくて1人で働いてるから忙しいって。

でも毎朝かかさず会いに来てくれて

大切なお母さんだって

しぃはお母さん想いの優しい子だ



「想像通りだったわ。ひなたちゃん、これからもあの子のそばにいてやって。あの子、本当にひなたちゃんのこと好きだから」


「ずっとそばにいます。しぃと約束したから。私も、時雨のこと心から愛してます」



"愛してる"なんて照れくさいけど

言葉ほど素直なものはない

言葉にして心はやっと伝わるんだ

文字じゃ伝わらないことがたくさんある

だから私は言葉にして言うよ


"あなたが好き"

< 226 / 251 >

この作品をシェア

pagetop