**青空ドロップ**~君が落としたラブレター〜


そしてセンター試験の日

試験会場は病院からバスで10分程度の場所にあるから

まず朝からしぃの顔を見て行くことにした

雨も降らなさそうないい天気

風が冷たくて吐き出す息が白く染まる



「おはよ!」

「おはよ。俺の分まで頑張れ」



しぃはお守りをきゅっと握って私に見せた

私も胸ポケットにしまっていたお守りを出して

一緒に笑う

お守りについている鈴が楽しそうに鳴った

まるで"大丈夫だよ"って言ってくれてるみたい



「ずっと応援してるから」

「うん。終わったらまた来るね」


約束、叶えようね

そのために私、頑張るから

しぃの笑顔は私の元気の源

パワー注入できたしこれで精一杯頑張れる


お守りはまた胸ポケットにしまって

部屋を出る前に1度キスをした

そしてハグをして

しぃが私の背中をぽんっと叩く

これで、大丈夫

二人で笑い合えたからもう、大丈夫

緊張のせいか少しお腹の調子が悪いくて

心臓もバクバクとうるさいけど。



「よし!行ってきます!」

「いってらっしゃい!」


しぃに見送られて

私は試験会場へと向かった

それが、しぃと笑い合う最後だとも知らずに



< 230 / 251 >

この作品をシェア

pagetop