**青空ドロップ**~君が落としたラブレター〜


「時雨!!!」


ほら、しぃは幸せ者だよ

また仲間がやってきたよ

あなたを支えた大切な仲間が。



「お前何勝手にいこうとしてんだよ。ふっざけんなよ!もうひなた泣かせないって約束しただろ!?約束守れよ!俺は時雨なら大丈夫だって思って…っ、だから目覚ませよ!」



「青山くん!いつまで寝てるつもりないの?もうすぐ冬も終わるよ!少ししたら春がやってくるよ。お花見、行くんじゃなかったの?私、楽しみにしてるんだからね!」



風斗と桜ちゃんが駆けつけてくれた

二人とも雨の中急いでやってきたのか

私と一緒でびしょ濡れだ



「おにーちゃん!昨日、また遊ぼうねって言ってくれたよね?僕、お兄ちゃんのために紙飛行機作ったんだよ。ほら、かっこいいでしょ?」



そして

さっき病室のドアに張り付いてた男の子も

溜めていた涙をこぼしながらやってきた

そして紙飛行機を大事そうに持って

必死にしぃに見せてあげようと背伸びをしている

男の子は本当にしぃが大好きなんだね

"お兄ちゃん大好きだよ"って

何度も何度も繰り返している


その時だった



「…っ、ひ、」


しぃの目が、うっすら開いた

さっきまで固く閉じていた目が

今確かに少しだけ開いて口元が動いた

先生も目を丸くして黙って聞いている


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