**青空ドロップ**~君が落としたラブレター〜
涙が枯れてしまうくらい泣きはらした
桜ちゃんも私と一緒に泣いてくれた
私の肩を抱きながら
"二人とも頑張ったよ"ってそう言ってくれた
風斗も
"時雨はすごいやつだ"って
先生も
"青山くんほど頑張る子は珍しい"って
あの機械音を聞いてからのことは
ほとんど覚えていないんだ
覚えているのは時雨が灰になった時のこと
煙突からもくもくと煙があがって
時雨は空とひとつなった
私が大好きな空に、時雨は昇っていった
もうこの世界に
私が大好きな"しぃ"はいない
もう、しぃの声を聞けない
もう、しぃに会えない
もう、しぃを抱きしめることはできない
もう、あなたに"好き"って言えない
神様を憎みたくて仕方なかった
誰もが認めるほど彼は頑張ったのに
結局ドナーは見つからないまま彼は死んだ
誰も悪くない
そんなことは分かっているのに
この現実を受け入れたくなくて
しぃがいないこの世界を信じたくなくて
私はモノクロの世界に閉じ込められた