**青空ドロップ**~君が落としたラブレター〜


しばらくして大学から合格通知が届いた

時雨の高卒認定試験の日を思い出す

あの日はあの紙切れ1枚が嬉しくて仕方なかったのに

今は何も嬉しくない

むしろこんな紙なんか破り捨ててしまいたい



まるで抜け殻の私は

カーテンで閉め切った部屋に閉じこもって

時雨との思い出と毎日を過ごした

初めて会った日

初めて好きと言った日

初めてデートした日

毎日がキラキラ輝いていたのに

私は今、何を見ているんだろう?

光なんてどこにもない

私、太陽になんかなれないよ

笑うことなんてできないよ



時雨がいないこの世界で

私はなんのために笑ったらいいの?



「置いてかないでよ…っ」



ひとりにしないでよ

私を、ひとりにしないでよ

枯れたと思っていた涙は幾度となく溢れ出す

時雨のことを想うと

"大好き"の気持ちを止められなくなる



大きな大きな私の宝物がなくなった

モノクロの世界はあまりにもつまらない

何のために生きているのか分からない

私自身が生きる希望をなくしてしまった

私は、時雨に溺れていたのかな?

あなたがいないと、息をするのでさえ苦しいよ
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