**青空ドロップ**~君が落としたラブレター〜
「お前らしくねーことすんなよ」
列に並んで
動く人の波をただ見てると
ぼそっとそんなことを言った
「いつもどおりだよ」
いつからか
それが口癖になってる気もするけれど
「俺は本当に似合ってると思う」
私は風斗を見てるのに
風斗は私を見てくれなくて
どこかに視線を向けている
「お世辞なんていいよ」
「素直に受けとれよな」
風斗もどこかぼーっとしてる気がして
どこか複雑そうな顔をしていて
風斗が見ている方に目を向けると
ドキンと胸が動く
どこかのPVでも見てるみたい
少し先にある綿菓子の屋台にいたのは
浴衣が似合う美少女と
夜が似合う美男子
「ねえねえあのカップル超良くない?」
「ほんと!美男美女じゃん!」
わたし達の周りでも
そんな声が聞こえてきちゃうほど
二人は目立つ存在なんだ