**青空ドロップ**~君が落としたラブレター〜


「お前絶対笑うなよ?」


なんの予告だろうか

開けたはずのパックをもう一度しめて

ビニール袋の中にしまって



「笑わないよ」



そう私は言った

笑わないなんて覚悟はできないけど

だって風斗が言うことは

いつだって面白いから



「俺、ひなたのこと好きだ」

「は…?」


頭の中が真っ白になった


蝉が鳴いてても

カップルが笑いあってても

それにかき消されなかったその声は

私の頭の中でこだまして

飲み込めないまま

ぐるぐると回り始める



「いや、冗談いいから」


私は誤魔化すように笑った

風斗の言葉をすっかり忘れて。



「だから…笑うなって言ったじゃん______」


< 66 / 251 >

この作品をシェア

pagetop