**青空ドロップ**~君が落としたラブレター〜
「お前絶対笑うなよ?」
なんの予告だろうか
開けたはずのパックをもう一度しめて
ビニール袋の中にしまって
「笑わないよ」
そう私は言った
笑わないなんて覚悟はできないけど
だって風斗が言うことは
いつだって面白いから
「俺、ひなたのこと好きだ」
「は…?」
頭の中が真っ白になった
蝉が鳴いてても
カップルが笑いあってても
それにかき消されなかったその声は
私の頭の中でこだまして
飲み込めないまま
ぐるぐると回り始める
「いや、冗談いいから」
私は誤魔化すように笑った
風斗の言葉をすっかり忘れて。
「だから…笑うなって言ったじゃん______」