めくるめく恋心
_秋ちゃん……。


「……くち。」

「え?」

「あいてる。」

「あっ……!」


慌てて口元を手で隠した。

_ただでさえ気まずい空気なのに、こんなんばっかりで感じ悪いよね?


「あ、えっと……トイレ?」

「それもそうだけど、ココと話したかった。」

「話……?」


_話って何だろう? もう周りをうろちょろするなとか?

周りをウロチョロしてるつもりはないけど、秋ちゃんからはそう思われてるかもしれない。

_怖い。


「ごめん。」

「……へ? ごめんって……何が?」

「会いに来てくれた日、酷い事言ってごめん。 ずっと謝りたかった。」


悪い方向にばかり考えていたからか、ホッとして肩の力が抜けていく。




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