めくるめく恋心
愛に激しく体を揺さぶられ、恭平は声を出して笑ってる。うーちゃんも楽しんでいるのか、何も言わないで見てるだけ。


「話す! 話すから落ち着いてってば!」


そう言うとピタッと愛が止まった。揺さぶられ過ぎてちょっと頭がフラッとした。


「昨日恵奈ちゃんのお家に泊まったんだけど……」

「それって五十嵐の彼女だよね?」

「え!? 五十嵐って彼女いたの!?」

「中一から付き合ってるラブラブな彼女がいるよ。」

「マジ!? なんかショックー。」


恵奈ちゃんの事は愛には話してたけど、恭平には話してなかったなと思った。直ちゃんと秋ちゃんの事は話してるけど、直ちゃんの恋愛事情は敢えて話す事じゃないからね。


「それでそれで?」


興味津々な愛は目をキラキラさせている。


「……直ちゃんと秋ちゃんも家に来て、ちゃんと秋ちゃんと話したんだよね。」


愛と恭平の「えぇ!?」という声が綺麗に重なった。

_そこまで驚かなくても……。


「それで変だったんだな。」

「うーちゃんが電話くれた時は、まだ気まずい時だったからね。」

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