めくるめく恋心
「それで早瀬とはどうなったの?」

「具体的にどうするって話したわけじゃないけど、昔に戻った感じかな。 それでね、この事千里に言った方がいいのか悩んでて……。」


愛と恭平は腕を組むと、「うーん……。」と考え始めた。


「元々は幼馴染だったんだし、彼氏ができたから疎遠になりますってわけにはいかないもんねー。」

「でもまー、彼氏としては複雑かもなー。 俺の場合早瀬の事を知ってるからかもしんないけど、あんなイケメンが元カレとかだったら幼馴染とはいえ連絡取られたらチョー不安になる。」

「二人で会うとかしなきゃ大丈夫なんじゃないの?」

「勿論二人で会う気とかはないよ!! 私には千里がいるし、秋ちゃんにも彼女がいるし、それは流石にないよ。」

「え!? 早瀬も彼女いんの!? 五十嵐といい早瀬といいなんなんだよー。 羨まし過ぎるだろ。 なー? 右京?」

「一緒にすんな。」

「お前は欄先輩がいるからいいよな!!」


愛の顔を覗きみると、目がバチッと合った。愛は笑っていたけど、どことなく寂しそうに見えた。

愛の気持ちなんて知りもしない恭平は、うーちゃんに「女の子紹介してって欄先輩に頼んでよー!」と言っている。好きな人に目の前でこんな事言われたら落ち込むよね。


「高尾先輩に話してみなよ。 それで高尾先輩がどう言うかでどうするか決めればいいんじゃん? 心の性格上、高尾先輩に言わないまま仲良くするのは無理だって。 言わないで気付かれるより言っちゃいなよ。」

「確かにー。 聞いたら聞いたで複雑だけど、知らないところで仲良くされてる方が嫌かも!! やましい事はないんだし、思い切って言っちゃえ!」

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