めくるめく恋心
「……今までみたいに右京と絡みたい。 メールも電話もしたい。」

「俺はお前の気持ちに応える気はない。 それでもいいのかよ?」

「今は!でしょ? この先どうなるか分かんないじゃない。 だから私は諦めない!!」

「はっ、すげぇポジティブ。 好きにしろよ。」

「好きにする!! ありがと!!」


久しぶりに右京に抱き付いた。「離れろ。」と言われたけど、離れなかった。っというより離れたくなかった。呆れた態度を取りながらも、右京は無理矢理引きはがすことはしない。これが私だけなのか他の女にもそうなのかは分からないけど、今は拒絶されない事が嬉しかった。


「そろそろ自分の教室に戻れ。 授業が始まる。」

「このままどっかでさぼりたい。」

「お前ね……」

「嘘! 嘘嘘っ!! 右京を困らせる事はしない。 ちゃんと教室に戻るから、そんな顔しないで! じゃあまたね!!」


右京に手を振って急いで自分の教室に戻った。

もうこのドキドキをどうしていいのか分からない。右京の事を知れば知るほど好きになる。最初は顔と体型がどストライクで興味を持ったけど、右京の魅力はそれだけじゃなかった。

右京には強気な事言ったけど、本当は少し不安だった。右京には大事な人がいるわけで、その人は右京にあんな優しい顔と口調をさせる程親しい間柄なんだと思う。

ギリギリ次の授業に間に合った。けど、授業には集中できなくて、気付けば終わっていた。

右京とまた前みたいに過ごせるのは嬉しいけど、大事な人の事を考えると胸が苦しくなる。それでもやっぱり嬉しい気持ちの方が大きいかもしれない。




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