めくるめく恋心
「何笑ってんの?」

「相変わらず女の子の視線集めるなーと思って。」

「そうなのよね。 何処に行っても秋生ってば無駄に目立つから困るわ。 昔から知ってるから忘れがちだけど、イケメンなんだよね。」

「恵奈にそういう事言われるとちょっと気持ち悪い。」

「それどういう意味よ!?」


恵奈ちゃんが秋ちゃんの頬っぺたをつねって引っ張った。秋ちゃんは嫌がるどころか笑ってる。秋ちゃんに平気でこんな事するのは恵奈ちゃんだけだと思う。


「今日一緒に回れねぇんだろ?」

「あ、うん。 ごめんね。」


休憩時間はきーちゃんと一緒に回ることになっている。あと一時間で休憩だから、きーちゃんと千里が鉢合わせる事はないだろう。それだけがやっぱり心配だった。


「心!!」


突然大きな声で呼ばれて肩が飛び跳ねた。入り口で息を切らしている欄先輩。


「右京知らない!? 何処にもいないのぉー!!」

「えっと……屋上に……。」

「心ありがとぉぉぉ!!」


パァッと顔を明るくした欄先輩から投げキッスをされた。そして嵐の様に去って行った。

本当はうーちゃんから欄先輩には居場所は言わない様言われてたんだけど……。

_うーちゃん、ごめんなさい。
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