めくるめく恋心
怒るのはもうやめて、蒼汰君と春姫ちゃんも席に案内した。


「何にする?」

「俺はアイスコーヒーでお願いしまぁす。」

「私は烏龍茶をお願いします。」

「俺はねぇ……」

「コーラでしょ?」

「さっすがココちゃん!! 当ったりぃ!!」


裏に入ると、愛がドリンクの用意をしていた。

_なんか最近愛を見るとホッとする。


「さっき大変だったね。 でも吉良がちょうど来て良かったじゃん。」

「助かったけど、ヒヤヒヤしたよ。」

「あそこで吉良が来てなかったら、もっと大変な事になってたんじゃん?」

「まぁ、確かにそうかも。 私一人でも周りに人もいるし、大袈裟な事にはならないだろうと思ってたけど、万が一って事はあったかもしれないよね。」

「そういう事じゃなくて、心が絡まれた時凄い怖い顔で高尾先輩と早瀬が立ち上がったんだよ。 吉良が助けに入ったからおとなしく座りなおしたけど、あれ下手したら相手殴ってたと思うよ。」


そう言ってドリンクを載せたトレーを持って愛は出て行った。自分の事で精一杯で、全然気が付かなかった。

_みんなに心配かけちゃってたんだ。 後でお礼言わなきゃ。

考えれば今まで周りの人に心配を掛けてばかりだなと思った。今からでも護身術とか身を守る体術でも習おうかと考えてしまった。

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