めくるめく恋心
今日は聖園学園の文化祭に行く日。今は聖園学園の最寄り駅で愛を待っていると、鞄の中のスマホが震えた。

愛から熱が高くて行けそうにないというメールだった。

_文化祭の準備と部活で疲れが溜まってたのかも。

“今日はゆっくり休んで。”とメールを返信した。

愛が来られないなら帰ろうかとも思ったけど、せっかくここまで来たしなと思い、聖園へ向かって歩いた。同じ方向に向かって歩いている制服を着た子たちも、目的地は私と一緒だろうなと思った。

聖園の校門で校内の案内図を受け取り、中に入った。

_きーちゃんの教室に行くには……。

校内を見渡していると、見覚えのある女の子を見つけた。


「か、加賀美さん!!」


加賀美さんに駆け寄ると、眉間に皺を寄せられた。


「何? 何か用?」

「今日は従兄弟に会いに来たの。 幼馴染だから恵奈ちゃんの所にも行くけど、秋ちゃんに会いに来たわけじゃないから、誤解しないで……。」

「何それ。 そんな事言う為に引き止めたの?」


_可愛い顔して結構キツイ子だな……。


「それと私彼氏いるから、もう秋ちゃんとは本当にそんな仲じゃないの。 だから加賀美さんの心配するような事なんて何も……」

「それどういう意味?」


言葉を遮られて振り返ると秋ちゃんが立っていた。
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