めくるめく恋心
本気で何言ってんの?みたいな顔をされた。

_無自覚ってすげー……。


「彼氏、モテるからヤキモチ妬くの大変なんじゃない?」

「ヤキモチ……?」


漸く顔色を変えたココちゃんは、ボーっと考え始めた。


「お待たせしました。」


春姫の声にやたらと驚いた顔をしたココちゃん。本当に驚いたのか、軽くテンパってる様にも見える。不思議そうな顔をする春姫に笑いかけると、春姫も笑顔になって席を離れた。

_今直ぐ連れ帰りてぇくらい可愛いんだけど……マジやべーな。


「食べないの?」

「食べるよ……。」


スプーンを手に持ったまま動かないココちゃんに声を掛けた。「食べる。」と言いながら手は止まったままで、ちょっといきなり攻めすぎたかなと思った。


「ごめん。」

「え?」

「困らせるつもりはなかったんだ。 ただ、思った事を素直に言っただけだから、気にしなくていいよ。」


本当に困らせるつもりは微塵もなかった。ただ、少しでも吉良に望みがあるなら……と思った。ココちゃんが気付いてないだけなら、気付かせるくらいのお節介したって罰は当たんねぇだろ。

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