めくるめく恋心
文化祭の日、休憩が終わって教室に戻ろうとしたら、心ちゃんたちのクラスに知った顔を見つけた。

_早瀬と五十嵐じゃん。 うおっ、それと高尾先輩たちまで……。


「何してんだよ。」


面白そうだなと思い、教室の中をこっそり覗いていたら右京に声を掛けられた。


「すげー光景だなと思って。」

「あぁ、確かにな。」


高尾先輩は輝夫先輩と話しながらも明らかに早瀬の事を意識している。それは早瀬も同じで、見ているこっちがヒヤヒヤする。その事に気付いているのか気付いていないのか、心ちゃんはのほほんとしている。


「心ちゃんは早瀬の事もうなんとも思ってないのかな?」

「さぁ? っつーか教室戻んぞ。」

「あ、うん。」


教室に入ろうとしたらいきなり腕を掴まれた。


「一緒に写真撮ろうよっ!!」

「あーいいよ。」


隣のクラスの女の子と写真を撮っていると、教室で接客をしている愛と目が合った。けど直ぐに逸らされた。

_目、合ったよな? 気のせい?


< 326 / 382 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop