めくるめく恋心
うちのクラスはカップケーキとかアイスとかをメインに置いているスイーツのお店。特に衣装はなく、制服の上からエプロンを着ているだけという手抜き満載なクラスだ。


「きょうへーい!! 遊びに来たよ!!」

「心ちゃんいらっしゃい!!」

「右京いないんっすか?」

「右京!! ご指名だよー!!」


大声で呼ぶと、不機嫌そうな顔をした右京がカーテンから顔を出した。


「右京いつもと変わんないじゃん。 つまんなーい。」

「お前はどこにいても騒がしい奴だな。 さっさと帰れ。」

「右京にー写真撮ろうぜ!! って、お前は入ってくんなよ!! 撮る係だろ!!」

「冷たい事言うなよ!! 俺もはーいーるー!!」

「うるせーな。 何でもいいから撮るならさっさと撮れ。」


本当、こうも似てない兄弟も珍しい。


「何か食べてく?」

「ううん、時間ないから適当に見て回ろうと思ってるの。 売上貢献できなくてごめんね。」

「全然いいよ。 それにしてもこのメンバーで回るって大変そうだね。」

「あはは、やっぱりそう思うよね……。」


モデルが二人もいれば嫌でも目立つ。黙って立っているだけでも存在感が凄いのに、はしゃいでるせいで余計目立っている。周りの女の子たちは目をキラキラ輝かせている。中には勝手に写真を撮っている子もちらほら。

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