めくるめく恋心
「せっかくだから写真撮ろうよ。」

「そう言えばまだ撮ってなかったね。」

「春姫ちゃん、撮ってもらってもいいかな?」

「はい。」


心ちゃんの友達に写真を撮ってもらった。すると廊下を歩く愛が目に入った。


「愛!!」


声を掛けようか迷っていると、心ちゃんがいつもの明るい声で愛に話しかけた。心ちゃんと話している愛はいつもと変わらない。

_無視される理由もねーし、やっぱさっきは目が合ったような気がしただけかもしれない。


「きょーへー!! 次は三人で撮ろう!!」

「おー。」


愛と心ちゃんに挟まれて両手に花状態。愛をこんなに近くで見たのは久しぶりかもしれない。

_キツイ顔してるけど、綺麗っちゃ綺麗なんだよな。


「次は愛と恭平のツーショットね!」

「え!? ちょ、心いいって!!」

「ほら! もう少し近づいて!!」


そっぽを向いて近付こうとしない愛にイラついて、腰を抱いて引き寄せた。珍しく慌てて顔を赤くする愛を見て、不覚にも可愛いと思ってしまった。

_こいつもこんな顔すんだな。
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