めくるめく恋心
段々と順番が近付いて来て、胸がドキドキし始めた。絶叫系は大好きだけど、乗るまではどうしても怖くて緊張してしまう。


「ココ、大丈夫?」

「だ、大丈夫!!」

「あはは、大丈夫な顔してないよ。 順番待ちしてる時はいつもそうだよね。」

「秋ちゃんは待ってる時も乗ってる時も変わんないよね。 いつも冷静。 違うか、冷静風なだけだね。」

「風って何。 ココ程ビビりじゃないよ。」

「あーそんな事言うの? 秋ちゃんだって……って、秋ちゃんが怖がってるところ見た事ないかも!」


いつも隣で私がビクビクしてるだけで、秋ちゃんは「大丈夫だよ。」って笑っている。私の方が怖がっているから、秋ちゃんが怖がっている姿を見た事がない。


「そーいや俺も知らねぇな。 お前怖いもんあんの?」

「怖いものくらいあるよ。 ココの回し蹴り。」


_へ?


「心ちゃん回し蹴りとかすんの!? うけんだけど!」


_回し蹴りってもしかしてあの時の!?


「一回しかしたことないじゃん!!」

「心にもそんな凶暴な一面が……こわ〜い!!」


からかい口調の愛に「もー!!」と言うと大口開けて笑われた。
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