めくるめく恋心
「ちょっ、え!? ココちゃん!? それって……え!? だって彼氏は!?」

「修学旅行、前に……別れたっ。 今更何?って感じだよね……っ。 でも、好き……っ、きーちゃんが好き……。」


とにかく気持ちを伝えたくてしょうがなかったのに、いざ気持ちを伝えると想いが溢れてきていっぱいいっぱいになった。

きーちゃんは膝を床に付けると、私と視線を合わせた。ギュッと手を握られ、余計涙が溢れる。


「従兄弟としてじゃなくて?」

「っ……きーちゃんが、他の子と仲良くしてると、胸が痛い……奈々子ちゃんとっ、一緒にいるところ見ると、泣きたくなるっ……冷たくされるとっ胸が、苦しくなる……奈々子ちゃんと付き合ってるなら、今度は私が頑張るからっ……だから……っ好きでいさせて。 ほんの少しでいいから、きーちゃんと一緒に居たい。」


_本当はさっき言った通り、奈々子ちゃんの所には行ってほしくない。 けど、これ以上ワガママを言ったらきっときーちゃんを困らせる。

きーちゃんは私の手の甲におでこをくっつけると、そのまま俯いてしまった。


「どうしよ……ヤバい……。」

「……え?」

「嬉しくて泣きそうとか、初めてでどうしていいかマジ分かんない。」

「っ!?」


急に立ち上がったきーちゃんに抱きしめられて、二人でベッドに倒れこんだ。驚き過ぎて溢れていた涙がピタッと止んだ。

胸に顔を埋めていてきーちゃんの顔は見えないけど、抱きしめてくれている事が嬉しくて、私もギュッと抱きしめ返した。するとギュッと抱きしめ返され、暫くその繰り返しだった。


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