めくるめく恋心
暫くして何とも言えない恥ずかしさがこみ上げてきた。離れようとしたら、更に体が密着した。今更ながら絡まった足を意識してしまう。


「き、きーちゃん……行かなくて、いいの?」

「この状況でそれ言う? ココちゃんとの時間優先に決まってるじゃん。」


_そう言ってもらえるのは嬉しいんだけど……聞きたくないけど、聞かないわけにはいかない問題が一つある。


「……奈々子ちゃんは? 付き合ってるんでしょ?」

「それだけど、なんでそう言う事になってるわけ? 奈々子と付き合った事とかないから。」

「でも……やる事は、やってるんでしょ?」

「っ……。」


ホッとしたのも束の間。言葉に詰まったきーちゃんの反応を見て、気分が落ち込んだ。


「……ごめん。」

「私の方こそごめん。 別に責めたいわけじゃないの。 っていうか、私にそんな事言う資格ないし……あの、本当、気にしないで……。」


口ではそう言いながらも、暫く落ち込むんだろうなーと思った。

修学旅行の時の事も正直まだ気になってはいるけど、聞けなかった。

_聞いても気分のいい話ではなさそうだし……。


「コ……だっ……で、しょ……?」

「え?」

「っ、ココちゃんだってあの人としたんでしょ!?」
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