めくるめく恋心
音楽室に移動して、教室に居る時の様にみんなと話していると、「あ、あの!!」と少し上ずった女の子の声が聞こえた。顔を向けると緊張した様な顔をした市川 心が立っていて驚いた。
「あれ? 二年の転校生だよね?」
「え……あの……。」
輝夫に話しかけられて明らかに困った顔をしている。その困った顔のまま、チラッと視線を向けられた。
「俺に何か用?」
違うとは思いながらも、そう声を掛けた。
「あ、えと、違うんです! ケータイ引き出しに入れたまま忘れちゃって……取ってもいいですか?」
「ケータイ?」
市川 心は無言で小さく頷いた。
引き出しの中に手を入れて探したら、硬くて平らな物が手に当たった。
「これ?」
「あ、はい! すみません、ありがとうございます。」
スマホを差し出すと、市川 心はぱぁっと笑顔になり、頭を下げた。この笑顔を自分に向けてもらえる日が来るとは思ってもいなかった。
「あれ? 二年の転校生だよね?」
「え……あの……。」
輝夫に話しかけられて明らかに困った顔をしている。その困った顔のまま、チラッと視線を向けられた。
「俺に何か用?」
違うとは思いながらも、そう声を掛けた。
「あ、えと、違うんです! ケータイ引き出しに入れたまま忘れちゃって……取ってもいいですか?」
「ケータイ?」
市川 心は無言で小さく頷いた。
引き出しの中に手を入れて探したら、硬くて平らな物が手に当たった。
「これ?」
「あ、はい! すみません、ありがとうございます。」
スマホを差し出すと、市川 心はぱぁっと笑顔になり、頭を下げた。この笑顔を自分に向けてもらえる日が来るとは思ってもいなかった。