めくるめく恋心
午前の部が終わってうーちゃんのところに戻ると、蒼汰君も一緒に居た。二人とも背が高いし、蒼汰君はモデルという事もあって、もの凄く目立っている。


「お疲れ様〜! 最後いいこけっぷりだったじゃん。」

「ナイスキャッチだっただろ?」

「こけない様に頑張ってたのに、最後安心したらこけちゃった。 きーちゃん本当にごめんね。」

「怪我してねぇ?」

「うん、きーちゃんが守ってくれたから私は平気だよ。 あ! 荷物ごめんね!」


うーちゃんから鞄を受け取り、私たちは人混みの中歩き始めた。

凄く視線を感じる。特に女の子たちからの視線。きーちゃんも蒼汰君も本当に慣れっこなようで、全く気にしていない。私が気にし過ぎなのかな?と思うけど、慣れてないから気にせずにはいられない。


「ここってもしかして学食?」

「そうだよー! 意外と広いでしょ?」


うちの高校とは比べ物にならないくらい広い学食に驚いた。


「学食ってやっぱいいよな! 普段使わないからテンション上がる!」

「学食使わないの?」


私よりテンションが上がっている蒼汰君に尋ねた。


「芸能科にいるやつはほぼ使わないっすよー。 落ち着いて食べられないから、いつもは吉良と空き教室で食べてるんっすよ。」


_そりゃそうだよね。 気が休まらないって大変。
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