めくるめく恋心
テーブルの上でお弁当を広げ、お皿とお箸を用意した。

千代さんのお弁当はいつも色鮮やかで、余計に食欲をそそられる。


「俺まですんません。」

「蒼汰も息子同前だからね!って千代さんが言ってたよ。 だから気にしない気にしない!」

「マジっすか? じゃあ遠慮なくいただきまぁす。」


食べ盛りの男が三人そろうと凄い食べっぷり。それにきーちゃんと蒼汰君は運動後だからか、前回よりも食べる食べる。

_それにしても広い学食……あまりの人の多さに人酔いしちゃいそう。


「ココちゃん食べないの?」

「みんなが食べてるの見てたらお腹いっぱいになってきちゃった。 私ちょっと甘いもの飲みたくなったから、飲み物買ってくるね。 みんなは何かいる?」

「俺は大丈夫っす。」

「俺が買いに行ってくる。」

「一人で平気?」


うーちゃんときーちゃんの言葉が重なり、思わず笑ってしまった。蒼汰君もお腹を抱えて笑ってる。


「右京にーも何気にコココンだよね!!」

「あはは、ありがとう。 一人で大丈夫だよ。 じゃあみんなは食べててね。」


心配そうな目をしながらも、二人はそれ以上は何も言わなかった。

_本当に二人とも心配性なんだから。
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