フィルムの中の君
「おはよう」
久しぶりに行く教室には友達が多くいた。
「昴ちゃんおはよ!」
「ひっさしぶり!でもないな…
ほぼ毎日テレビで会えるもんね」
「いやぁ元気でよかったよ」
1週間近く学校を休んでいたため、昴には会う人全てが久しぶりに感じる。
もちろんこの友達だってそうだった。
「おっはよー昴!」
「芽衣!おはよう」
何も変わらない友人を見て安心する昴。
変わったと言えば前より髪が伸び、肩につくぐらいになったことだ。
「昴元気だった?」
しばらく会えないと必ず彼女はこうして心配する。昴にとって自分を心配してくれるのは申し訳なくもあり、嬉しくもあった。
「もちろん元気だよ〜」
よかったぁ!と笑う芽衣。
「そういえば昴ちゃんが学校休んでる間に転校生が来たんだよ!」
隣にいた友人の情報に芽衣のテンションが上がる。
朝からテンションが少し高かったのはこの話をしたかったからか、と昴は気づいた。
「へー、そうなんだ。このクラス?」
「ここじゃないんだけど隣のクラスで…」
名前を聞こうとしたその瞬間、勢いよく扉が開き担任が入ってきた。
理由はわからないがやけに朝から気合が入ってる様子。
「ほらー席につけー!
ホームルームやるぞ」
渋々みんな自分の席へと戻って行った。