俺、兄貴になりました③
「おー!おはよ、愛美ちゃん」
「愛美ちゃん、おはよう!」
あー…やっぱり二人の姿を見るだけで癒されるよー…。
キラキラオーラが出てるよー…。
「あれ、愛美ちゃん早いね」
ぽーっ二人に見惚れていると後ろから声が聞こえて、はっと我に返った。
「あ!おはようございます、翠さん!」
声がした方に振り向くと、シャワーを浴びた後なのか、タオルでゴシゴシと濡れた髪を拭く翠さんがいた。
翠さんは慶くんが一番懐いてるお兄さんで、頭がいいことで有名な大学に通っている一年生。
とにかく優しくて面倒見がいいの。
「うん、おはよう愛美ちゃん」
ニコッと王子様スマイルで笑かけてくれた翠さんに、一瞬にしてノックアウトされてしまった。
も、もう!
なんで久遠家の兄弟ってみんなこんなにもカッコイイのかな!?
「愛美ちゃん?」
「きゃーーっ!!」
もともとキラキラしてる顔をさらに水でキラキラさせて覗き込まないでくださいっ…!!
「ご、ごめんなさいーっ」
「愛美ちゃん!?」
耐えきれなくなってリビングを飛び出した。