風は囁く「君と輝きたいから」
「ずっと避けていた……薬の数や量をいくら増やしてでも、限界まではと無茶を通して……」
「詩月……さん!?」
「――独り言だ。聞きたくないなら耳を塞いでいい」
表情を無くした青白い顔。
詩月さんは不安や辛さを押し殺したように、淡々と話す。
「自分の心臓がまともに動かない、壊れているのは……わかっているのに。体に機械を植え込まなきゃならないってことを……はい、そうですかと……素直に受け止められない」
掠れた細い声が微かに震える。
詩月さんは、蒲団の上でギュッと拳を握りしめている。
「手術で完全に良くなるわけじゃない……機械を植え込んだって、正常には働かないんだ。薬漬けに変わりはないとわかっていても……納得できない。……それでも機械で、まともに動かない心臓を、強制的に制御して動かすしか選択肢がないなんて……」
俺は、耳を塞ぐなんてできなかった。
「詩月……さん!?」
「――独り言だ。聞きたくないなら耳を塞いでいい」
表情を無くした青白い顔。
詩月さんは不安や辛さを押し殺したように、淡々と話す。
「自分の心臓がまともに動かない、壊れているのは……わかっているのに。体に機械を植え込まなきゃならないってことを……はい、そうですかと……素直に受け止められない」
掠れた細い声が微かに震える。
詩月さんは、蒲団の上でギュッと拳を握りしめている。
「手術で完全に良くなるわけじゃない……機械を植え込んだって、正常には働かないんだ。薬漬けに変わりはないとわかっていても……納得できない。……それでも機械で、まともに動かない心臓を、強制的に制御して動かすしか選択肢がないなんて……」
俺は、耳を塞ぐなんてできなかった。