風は囁く「君と輝きたいから」
「正門、裏門の像それぞれの楽器にコインを入れ、正門像の下で『エルガーの愛の挨拶』を、裏門像の下で『ベートーベンのロマンス2番』を弾くんだよ」
「そうすると、何か起こるんですか?」
「さあね~、伝説では『恋が実る』『音楽の祝福を得る』と言われているようだが」
「叶えた人はいるんですか?」
桃香さんが食いついたように訊ねる。
桃香さんはアラサーで、結婚適齢期をそろそろ過ぎちゃうお年頃だ。
恋が実るという伝説は、かなり気になるらしい。
「願いが叶ったという話は、聞いていないな。伝説条件を満たしたという話も、成功者がいるのかも知らない。そもそも、あんな狭い場所に、コインを入れるなど至難の技、奇跡だと思うが」
――Oh! my God.残念だったね、桃香さん。さあ、気を取り直して……
俺は桃香さんを励まそうとしたのだが……。
「そうすると、何か起こるんですか?」
「さあね~、伝説では『恋が実る』『音楽の祝福を得る』と言われているようだが」
「叶えた人はいるんですか?」
桃香さんが食いついたように訊ねる。
桃香さんはアラサーで、結婚適齢期をそろそろ過ぎちゃうお年頃だ。
恋が実るという伝説は、かなり気になるらしい。
「願いが叶ったという話は、聞いていないな。伝説条件を満たしたという話も、成功者がいるのかも知らない。そもそも、あんな狭い場所に、コインを入れるなど至難の技、奇跡だと思うが」
――Oh! my God.残念だったね、桃香さん。さあ、気を取り直して……
俺は桃香さんを励まそうとしたのだが……。