風は囁く「君と輝きたいから」
暗く沈んだ詩月さんと桃香さんの顔が目に浮かぶ。

「ローレライ」という言葉――言い知れない恐ろしさに背中がしっとり濡れていた。

闇が心に迫ってくるようなモヤモヤ感で、わけがわからなくなり、勝手に手が動いていた。


――桃香さんが自殺未遂で、東都総合病院に入院した

メールを打つ手が止まらなかった。

送信操作をしてハッとし、画面を確認する。


―― ……あっ

頬に冷たいものが伝っていた。


「遥!?」

膝が震えて力が抜ける。
両手で膝を押さえても震えが止まらない。

膝をガクリと、床につき座り込んだ。


「周桜さんに何で……」

昴と空に肩を掴まれ、体を揺さぶられる。


「舞園は会議で、CMコラボの打ち切りを唱えていたんだ……何度も」

マネジャー室長が、呟くようにポツリ。

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