風は囁く「君と輝きたいから」
周桜くんはメモを受け取り、「ありがとう、銀貨を返さなきゃだな」と鞄から財布を取り出し、中身を確かめる。


「あ……、悪い。銀貨が入ってないな」

周桜くんは申し訳なさそうに、野口英世を1枚と学食チケットの綴り2冊を取り出し、女の子に手渡す。


「エウリュディケの方と、こちらと合わせて……学食のチケットもどうぞ」


「こんなに!?」


「学食チケットは広報の手伝いで、学長からもらったんだ」

戸惑いながら「ありがとうございます」と、深々頭を下げる女の子2人。


「銀貨を弾くコツ」

周桜くんは、人差し指と親指をパチンと鳴らし、銀貨を捻る仕草をして見せた。


「Good luck!」

女の子2人は、周桜くんのアイドル顔負けの仕草に放心状態。

周桜くんは、女の子からもらったメモを見つめ「意外と面倒なんだな」と言いながら、メモを指ではじいた。
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